本校のプロジェクトは、以前にサイクリングスタンドを製作した地元業者との縁から、「クリアランス制度の周知活動に、高校生の感性を活かしてはどうか」という発案から始まりました。
地域の当たり前の環境と課題
敦賀市の高校生にとって、原子力は特別な存在ではありません。原子力発電所は働く場所であり、家族が関わってる生徒も多く身近で当たり前の存在です。そのため、クリアランス製品についても「厳格な管理のもとで扱われる安全なもの」という前提が共通認識としてあります。プロジェクト開始にあたり、生徒や保護者、周囲から反対の声が上がることはほとんどありませんでした。
むしろ、「当たり前の環境」ゆえの無関心が反応を呼ばず、地域外との温度差を生んでいることが現在の課題です。そのこともあり、生徒たちが、活動を通じて当たり前にある原子力を再確認し、リサイクルの可能性をどう見出していくかを目的となりました。
先輩たちの報告を経て学びを継承する
本活動は、3年生の「課題研究」という授業として取り組みました。大学の卒業研究に近い位置づけで、1年間かけて製作から成果報告まで行います。
後輩たちは、先輩たちの成果報告会を通じてクリアランス制度の知識を深めていきます。「クリアランス金属は、検査を経て普通の材料と同じように扱える資源である」という認識は、先輩が作った製品を実際に触れる中で理解を深めます。座学で安全性を勉強するより、活動の中で資源リサイクルの重要性や世界的な動向を学ぶ環境になっています。
分からない、難しいから得られる手ごたえ
製品製作は、毎年4名から6名ほどのチームで進められます。まずは「なぜそれを作るのか」という目的設定から始まり、デザイン、図面作成、検証を経て、夏頃には形を固めます。その後、型作りから鋳込み、そして12月頃まで続け、仕上げ加工を行います。
苦労した点は、型を作っている段階では完成形が想像しにくく、本当にうまくいくのか分からない中で進めなくてはいけなかったこと。鋳造を前提とした設計する必要があるので鋳物ならでは難しさがありました。しかし、周囲のアドバイスを受けながらデザインを修正し、アップグレードしていく過程は手ごたえがあり面白いと生徒も手ごたえを感じていました。そして完成したときの「おお!」と思える形になった瞬間は強く印象に残っています。